■表情でかく小さな感情■

遠くを見ている(イザアス)
決定的敗北感(イザアス)
「秘密だよ」(島準)
涙だけが静かに(ハルアベ)



以上を選択して使用。

配布元→http://airtitle.nobody.jp/







遠くを見ている



いつも君は、ずっと遠い先を見ている。
今を、今だけを見ているのではなく、先を見据えて、君は、生きていた。

そんな君を素直に羨ましいと思った。

白い軍服を纏って、真っ直ぐ前を見て、颯爽と風を切って、歩んでいく。
君は、後ろを振り向かない。
決して、後ろを振り返ることをしない。

その姿は、とても眩しかった。
声をかけることが勿体無いくらい。



(イザアスーアス視点)







決定的敗北感



いつの間にか、それを認められてしまうようになったんだろう。


あいつに出会って、
あいつを知って、
あいつを愛した。

それまで抱いていた苛立ちや妬みなどは、気が付けば消えていた。

あいつが親の七光りでその場にいるわけでもなく、自分自身の力でその場に立っていることを知った。
あいつが、どれだけの哀しみを乗り越えて、今、ここに居るのかを知った。

そのとき感じたこの気持ち。
アカデミーの時に、主席が取れなくて、味わったものとは全く違う。
そんなちっぽけなものではなく、

もっと、
ずっと、
大きな・・・。


溜め息をひとつ、苦笑したら全ては呑み込まれた。




(イザアスーイザ視点)







「秘密だよ」



「秘密。」

あなたは曖昧に笑いながらそう言って、ここを後にした。


先輩たちがいない4月。
貴方がいない4月。


貴方は、何を考えているんですか?
貴方は、俺をどうしたいんですか?


貴方が残した言葉が気になって、
この桜の樹を見るたびに、貴方を思い出す。

教室からも、グラウンドからも、マウンドからも、
確認できてしまうこの桜。
結局、俺が貴方のことを考えない日はない。


まるで、全てを謀ったような・・・。


そう考えて、あの人だから仕方ないと思ってしまう自分が居た。
俺も随分あの人にやられてしまっているようだ。


春のあたたかい陽射しを浴びて、うとうとしながら、
貴方が言った「秘密」の答えを探した。





早く逢いたい・・・。




(島準ー準太視点)








涙だけが静かに



春なのに、少し肌寒い4月。
去年より遅く咲き始めた桜は、ちょうど満開を迎えていた。
これだけ天気がよければ、花見の人たちも多いだろうと、ふと思う。


大きな桜の下に立って、誰も居ないグラウンドを見た。
ポツンと空いたままのマウンド。
あぁ、そこにはもうあの人が立つことは、
自分の前にあの人が立つことは、
無いんだと思うと、複雑な気持ちだった。

嬉しいはずなのに、淋しい。
喜ぶべきことなのに、悲しい。

矛盾する二つの気持ち。
まるで、今、隣で咲き誇る桜のようだった。


俺はやっと貴方から自由になれた。


「ねぇ・・、元希さん。」


それなのに、涙が静かに頬を伝った。






(ハルアベー阿部視点)









>>Back